いろいろな(被嚢動物以外の)研究材料

 私は主に群体性ホヤをはじめとする被嚢動物を研究材料としていますが、その他の生物をつまみ食い(?)してみることもあります。また、研究室のメンバーは必ずしも被嚢動物を研究材料としている訳ではありませんし、共同研究で他の動物を研究することもあります。ここでは研究材料として扱ってきた被嚢動物以外の生物のうち、これまで論文発表のあるものを簡単に紹介します。


 海綿 
Terpios hoshinota
 サンゴの上を覆っているのは黒い海綿です。サンゴを覆って殺してしまうことが問題になっていて、分布や海綿の構造を研究しています。


無腸類 Convolutriloba longifissura
最近はAcoelomorphaと呼ばれる門に分類される動物です。名前の通り腸もない動物ですが、体の中に緑藻の仲間が共生しています。


単体性の内肛動物
睫毛ぐらいの大きさの小さな動物です。写真は海綿に付着する種で
Lxosomella plakorticola。 我々の研究室で博士を取得した伊勢戸君は主に種分類をテーマにしており、本種も彼が新種記載しています。
研究室としては足の構造や繁殖生態、分子系統解析なども行っています。


シャコガイは胃から分岐する管(共生管)の中に多量の渦鞭毛藻 Symbiodinium を保持し、両者は共生関係にあると考えられています。沖縄県水産試験場八重山支場(現 水産海洋研究センター石垣支所)より、幼生や稚貝を提供してもらい、共生管の形成などを研究していました。詳細は『シャコガイ』参照。


チドリミドリガイ Plakobranchus ocellatus
嚢舌目ウミウシの中には餌として食べた海藻の葉緑体を消化腺の細胞内に保持して光合成させているものがあります。これまでに、口〜消化腺の構造を研究しました。チドリミドリガイはいろんな海藻を食べるようですが、どんな海藻を餌にしているのかよくわかっていないので、この問題について共同研究を行っています。